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2019年06月14日(金)

※富山県内のニュースです。


 登坂 東京五輪へ崖っぷち

(2019年06月14日 18時20分)

 15日から東京オリンピックの選考会を兼ねた女子レスリングの全日本選抜(ぜんにほんせんばつ)が始まります。

 高岡市出身の金メダリスト登坂絵莉(とうさか・えり)選手も今回、負ければ東京への道は閉ざされます。

 新たな夢を描きながらがけっぷちから目指す登坂選手を追いかけました。

 「ゴールドメダル登坂絵莉」(実況)

 初出場でつかみとった栄光。

 あれから3年。

 群雄割拠の争いの中で輝きを弱めたリオの女王、登坂絵莉、25歳。

 東京オリンピック出場へ窮地に立たされています。

 「本当にがけっぷちなので絶対に負けられない」(登坂選手)

 頂点を極めたあとに待っていたのはどん底の日々…リオ前から痛めていた左足の痛みが悪化。

 マットにあがることもできず焦りが募りました。

 「時間がとまればいい」(登坂選手)

 レスリング選手として前例のない手術に踏み切るべきか…重大な決断を迫られました。

 「どうすればいいの。私はどうすればいいの。今すぐ手術やったほうがいいのか、今すぐ手術やったほうがいいのか保存治療でまだ2−3か月みてそれでもダメなら手術したほうがいいのか」(登坂選手)

 そのころ、つらい胸中を打ち明けていたのが、世界大会16連覇のレジェンド吉田沙保里さんでした。

 「怪我をしていることがいやだってふうに泣きまではしないがそこまで落ち込んでいることがあったので、自分自身の体だし自分自身が戦うので最後は自分だよってアドバイスしたりとか」(吉田沙保里さん)

 二人の出会いは2004年。

 登坂が小学5年生のとき、憧れの吉田さんは当時21歳、すでに金メダリストでした。

 その吉田さんを追って愛知県の高校に進学。

 一緒に練習するうちに『憧れ』から『尊敬』へと変わっていきました。

 「本当に尊敬していてさおりさんみたいなレスラーじゃなくて人になりたいと思っているし。本当にすごいです。さおりさんは…やばい」(登坂選手)

 「やっぱりいいもの持っていますし、日常生活も私に似ているので本当にかわいい後輩」(吉田沙保里さん)

 尊敬し、姉のように慕う吉田さんへの「愛」は私生活の至るところに…。

 「これ買ったんですよ。リモアのケース。さおりさんはこれの大きいの使っていて色違いです」(登坂選手)

 一緒に観戦したときに着た中日のおそろいのユニフォームに。

 ラインでも「さおりさんスタンプ」を愛用。

 選手として、人として、尊敬する吉田さんの背中を必死に追いかけともに手にしたリオへの切符。

 そこで2人はある約束を交わしていました。

 「世界選手権も一緒にとって金メダルと写真を撮ったりしているので、それをリオのオリンピックでも撮ろうねって話しています」(登坂選手)

 約束を胸に挑んだはじめての大舞台。

 しかし…。

 「残り2秒。吉田無念敗れた。金には届かなかった」(実況)

 「一緒に金メダル取れなくてごめんっていわれたので、本当に自分らが金メダルを取れたのはさおりさんのおかげだし、本当にありがとうございますという風に」(登坂選手)

 東京を見据え左足の手術を受けた登坂。

 その後、痛みは残り、日本一からは遠ざかっています。

 去年12月、東京オリンピックの選考に関わる最初の大会。

 登坂のセコンドには吉田さんの姿が。

 登坂は準決勝で敗退。

 しかし、その数日後。

 意外にも明るい表情を見せる登坂。

 実は…。

 「入院しててそこから試合行って、外泊届け出して試合行ってまた入院してやっと富山に帰ってきた。試合もでれるかわからないくらいだったからやった普通の日常に戻れたというか…」(登坂選手)

 公表していませんでしたが、本調子ではない中、試合に臨んでいたのです。

 今年1月吉田さんが現役引退を発表。

 「Q後継者は?」「50キロ級で私を尊敬してくれている。登坂選手」(吉田沙保里さん)

 「自分の名前が出てくると思わなかった。うれしい。私は沙保里さんの後継者までには絶対になれないけど、少しでも近づきたいという気持ちになった」(登坂選手)

 今週末の全日本選抜で優勝しなければ、東京オリンピックは絶望的となります。

 しかし、そんな崖っぷちで登坂を奮い立たせる新たな夢がありました。

 「(オリンピックで)さおりさんを肩車したいなとか思いますし、さおりさんにセコンドついてほしいなと思うので」(登坂選手)

 本調子でない中で戦い準決勝で敗れた全日本選手権ですが、登坂はその試合で復調の兆しを感じていました。

 「12月の最後の片足タックルはよかったと思いますし」(登坂選手)

 リオでも勝利を引き寄せた得意技の片足タックル。

 そのキレが戻りつつありました。

 「やっぱりとりきる片足タックルを試合でも恐れずに入り込みたい」(登坂選手)

 さらに、精度をあげるため全日本選抜に向けてはタックルの入り方を細かく確認、股関節周りを強化に努めタックルのスピードにも磨きをかけてきました。

 「本当にリオの最高の状態からどん底に落ちてもがいた3年間だった。今の状況でこの期間があってよかったとは正直思えない。東京オリンピックで連覇できたときにやっとこれがあってよかったと思えると思うので、そういう状況を自分でつくりあげたい」(登坂選手)

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